ぴーがぶたまご日誌

いい加減なひとが、自分のメモ用にいい加減なことを書く

幼少期のわたし

前回、かつて母が私に膨大に映画を見せてくれたと言った。かわいい子にはなんちゃら的な感じで、私が映画がずいぶん好きだったので見せてくれていたのかも知れない。

でも、今考えるとそれだけでもない気がするのだ…


今でもずっとそうだが、とりわけ幼少期の私の一番の悪癖と言えば失踪癖であった。

買い物に行っても迷子。遊びに行っても迷子。果てには保育園からも抜け出したりで、家の中から忽然と姿を消すのはしょっちゅうだった。

とは言え当時の私にその自覚はなかった。私にとって自分の知り得た地理は他所でも家と同じであった。

今でも覚えているのは、一度近所の人達が私を探すために捜索隊的なものを結成したことがあった。さながらとなりのトトロである。

私はおじいちゃんちに遊びに行った後、家に帰らずに近所のおねえさんの家に行ってハッチポッチステーションを見ていたのだ。

それはもう母たちは心配したそうだが、アホな私には、「おじいちゃんちに行った後は家に帰らないと行けない」という残念なアップデートしかされなかった。だから同様の事件は度々起こった。


実際母は忙しかった。父はもちろん仕事をしているし、母は大家族の家事と店の仕事にてんてこまいだったのだと思う。かと言って私は危険人物であった。

だから、母が私に与えたもうたのは、「本・テレビ・紙」であった。

幼少期の私は兄らのように活発ではなかったので、もっぱら読書とお絵かきとテレビを見ることが大好きであった。

今考えれば、どれもやり始めると1時間2時間は固いものである。私にはとにかくじっとして欲しかったんじゃないのか?と今になって思う。


そして私は映画に齧り付き、同時にテレビも見まくっていた。かと言ってこども番組を見ていたのではなく、ウチには当時珍しいケーブルテレビがあった。そして私はMTVという最強のコンテンツに出会ったりするのだった。それはまた別のお話…


とにかく私は幼少期から今に至るまでの根幹が、この時既に大部分出来上がっていたのだ。

今でも映画や絵を描くのは好きだし、読書も人並みにはしている。そしてなにより、黙って一人でコソコソ何かをしていることや、放浪することが何よりも好きなのである。

そんなお話